京王線府中駅から歩いてすぐの大國魂神社は、府中のまち歩きのスタートにぴったりな場所。由緒ある社殿で手を合わせ、けやき並木の参道をゆっくり歩きながら、門前のカフェや老舗の和菓子、季節の行事にふれるコースを紹介します。初めての方にも、久しぶりの方にもおすすめの定番さんぽです。ゆっくり歩いても1〜2時間ほどで楽しめます。
府中駅を降りて大鳥居へ向かう途中、街の喧騒が少しずつ遠ざかっていきます。
大國魂神社は、武蔵国の総社として千年以上の歴史を持ち、地元の人々にとっては“心の拠りどころ”。
参道の石畳を歩くと、日常から離れたような静けさが漂い、自然と背筋が伸びる空気があります。
朝の光が差し込む時間帯は特に清々しく、参拝はもちろん、散歩として歩くだけでも心が整います。
大國魂神社では年中を通して多くの行事が行われます。
初詣、節分祭、七五三、そして全国的に有名な「くらやみ祭り」。
お囃子と人の熱気が満ちる春の祭礼の時期は、参道全体がまるで別世界のよう。
四季と行事が重なり、何度訪れても新しい発見があります。
“府中の季節はここから始まる”と言っても過言ではありません。
参道には古い灯籠、狛犬、手水舎、そして堂々と構える拝殿。
一歩一歩ごとに “時間の層” が重なり、歴史を感じる静けさがあります。
しかし同時に、周囲には商業施設や行き交う人々の活気もあり、
“古いものと新しいものが自然に同居している” のが府中の魅力。
散策の途中でふと見上げた空や並木の枝ぶりが、いつも違う表情を見せてくれます。
参拝が終わったら、そのままけやき並木まで足を延ばすのがおすすめ。
木漏れ日、風の音、季節の匂いが混ざり、この街ならではの“散策の楽しさ”を感じられます。
大國魂神社から続く一本の道が、府中のまち歩きを豊かにしています。