府中駅から大國魂神社へ向かうけやき並木は、ただの道ではなく、 “季節そのものが目の前を通り抜ける” 特別な散策路です。
日ごとに色を変える葉、風の匂い、光の揺れ──。 歩く速度に合わせて景色が変わり、何度訪れても飽きることのない魅力があります。
春の並木は、桜の淡い色と芽吹きの緑が混ざりあい、柔らかな光が道に広がります。
朝の時間帯はとくに美しく、木漏れ日の点々が歩道に落ちて、散策そのものがご褒美のよう。
通り抜ける風にほんのり花の香りが混ざるのも春だけの楽しみです。
夏になると、葉がしっかりと枝を広げ、道全体が深い影に包まれます。
真夏の日差しでも並木の下を歩くと空気がひんやりとして、
街の暑さを忘れさせてくれる涼しさがあります。
子どもの声、犬の足音、自転車のリズム──街の音が軽やかに響きます。
黄金色に染まったけやき並木は、府中の秋の象徴。
葉が舞い、歩道にふわりと積もる光景は思わず足を止めたくなるほど。
夕暮れ時、逆光に透ける葉の色は格別で、写真を撮る人が増える季節です。
葉を落とした枝が空の輪郭を描き、冬ならではの静けさが漂います。
冷たい空気の中でも光が澄んでいて、特に朝と夕方は美しい時間帯。
大國魂神社の行事が多い季節でもあり、並木は“祈り”と寄り添うような雰囲気に包まれます。